駐車場を広げる外構リフォーム|費用相場やコンクリート工事の注意点
目次
駐車場リフォームの「費用相場」と失敗しない重要ポイント
ライフスタイルの変化で車が増えたり、毎日の出し入れにストレスを感じたりして「駐車場を広げたい」と考えたとき、まず気になるのが「費用」と「工事の品質」ではないでしょうか。
「庭を解体して駐車場にするにはいくらかかる?」「コンクリート工事で手抜きをされないか心配…」「後から追加費用を請求されたくない」
リフォームは新築と異なり、解体や埋設物の処理など複雑な要素が絡むため、こうした不安は尽きません。
本記事では、北九州エリアで1991年から外構事業を展開し、設計から施工までの一貫体制で多くの駐車場リフォームを手掛ける「アルスグリーン」が、失敗しないための費用相場と工事の注意点を解説します。

単にスペースを広げるだけでは、水たまりができたり、使い始めてから「停めにくい」と後悔したりすることになりかねません。
この記事では、満足のいく駐車場リフォームを実現するために、
・車1台〜2台分を増設する場合の「リアルな費用相場」
・見積もりで驚かないための「解体・残土処分費」の内訳
・「土間コンクリート」と「アスファルト」の価格差と耐久性
・施工トラブルを防ぐ「水勾配」や「ひび割れ対策」の技術的要点
など、プロの視点から具体的な金額と技術情報を交えて詳しく解説します。ぜひ、長く快適に使える駐車場づくりの参考にしてください。
駐車場を広げるリフォームの費用相場と価格内訳
駐車場を拡張するリフォーム費用の相場は、車1台分のスペース(約4〜5坪)を増設する場合で40万円から80万円程度が目安です。
ただし、この金額はあくまで「庭の一部を解体して舗装する」といった標準的な工事のケースです。高低差がある土地で擁壁(ようへき)を作り直す場合や、カーポートの設置も含む場合は、総額が100万円を超えることも珍しくありません。
現場の状況によって大幅に増減することを理解しておくことが重要です。
近年、リフォーム費用は上昇傾向にあります。国土交通省が公表している「建設工事費デフレーター」によると、建設資材や労務費の高騰により、工事原価は2013年頃から右肩上がりで推移しており、数年前の相場感覚よりも1〜2割程度高くなっているのが現状です。そのため、予算組みをする際は、インターネット上の古い情報ではなく、最新の資材価格を反映した見積もりを参考にすることが重要です。
【増設台数別】駐車場を拡張する場合の総額目安(1台分増設・2台分増設)
既存の庭や門まわりを解体して駐車スペースを広げる場合、増設する台数(面積)によって費用が変動します。
<車1台分(約15㎡)を増設する場合>
費用の目安は40万円〜80万円です。最も多い「庭の植栽やブロック塀を撤去し、土間コンクリートを打設する」工事がこの価格帯に該当します。敷地が道路と同じ高さの平坦地であれば安く済みますが、土を掘削する量が多い場合や、給排水管の移設が必要な場合は費用が加算されます。
<車2台分(約30㎡)を増設する場合>
費用の目安は80万円〜150万円です。単純に1台分の倍額になるわけではありません。重機を現場に運ぶ「重機回送費」などの固定費は一度で済むため、面積あたりの単価は割安になる傾向があります。一方で、2台分となると撤去する庭の範囲が広くなり、門柱やアプローチ全体の作り直しが伴うケースが多いため、外構全体のリフォーム費用として考える必要があります。

土間コンクリート打ちの平米単価(㎡)とアスファルトとの価格差
駐車場の床面仕上げとして最も一般的な「土間コンクリート」と、道路などで使われる「アスファルト」には明確な費用と耐久性の違いがあります。
<土間コンクリートの平米単価>
現在の相場は、1㎡あたり約10,000円〜15,000円です。コンクリートの中に強度を高めるためのワイヤーメッシュ(鉄筋)を入れる費用や、表面の仕上げ手間賃が含まれます。耐久性が非常に高く、適切に施工すれば30年以上メンテナンスフリーで使えるのが最大のメリットです。
※施工条件や面積により単価は変動します。
<アスファルト舗装との価格差>
アスファルトの単価は1㎡あたり約5,000円〜9,000円と、コンクリートに比べて3割から半額程度安く施工できます。しかし、一般住宅の駐車場リフォームではあまり採用されません。理由は、アスファルトは専用の大型機械で施工しないと平坦にならず、小規模な工事ではかえって割高になることがあるためです。また、耐久性が10年〜15年程度とコンクリートより劣り、夏場に高温になりやすいというデメリットも考慮する必要があります。
意外とかかる「解体・撤去費用」と「残土処分費」の内訳
見積書を見て多くの施主様が驚かれるのが、新しく作る費用ではなく「今あるものを捨てる費用」の高さです。リフォーム工事では、この部分が総額の2〜3割を占めることもあります。

<残土処分費(ざんどしょぶんひ)>
駐車スペースを作るには、コンクリートの厚み(約10cm)と砕石の厚み(約10cm)の分だけ、地面を掘り下げる必要があります。この際に出る大量の土(残土)は、産業廃棄物として処分しなければなりません。 処分費の目安は、2トントラック1台あたり約9,000円〜12,000円です。車1台分の拡張でもトラック数台分の土が出ることが多く、これだけで数万円から10万円近くかかります。
<解体・撤去費用>
既存のブロック塀や古い土間コンクリートを壊す費用です。
ブロック塀撤去(高さ1.2m〜1.6m程度の場合):
1mあたり5,000円〜10,000円
※ブロックの段数や、中に鉄筋がどの程度入っているかによって解体の難易度が変わるため、費用に幅が出ます。
※建設業界では『1㎡あたり5,000円〜10,000円』として面積で計算する場合もあります。
土間コンクリート撤去:
1㎡あたり5,000円〜6,000円
※コンクリートの厚みや、ワイヤーメッシュ(鉄筋)の有無によって破砕処分の手間が異なるため変動します。
さらに、これらの瓦礫(ガラ)を処分場へ運ぶ運搬費や、ショベルカーなどの重機を使用するための費用も計上されます。見積もりを確認する際は、これらの「捨てる費用」が適切に含まれているかを確認しましょう。
後悔しないための「コンクリート工事」と「設計」の重要ポイント
駐車場リフォームで最もトラブルになりやすいのが、コンクリートの「ひび割れ(クラック)」や「水たまり」といった施工品質に関する問題と、使い始めてから気づく「狭くて停めにくい」という設計ミスです。
コンクリートは一度固まってしまうと、部分的な修正が非常に困難です。「やり直しがきかない工事」だからこそ、業者任せにするのではなく、施主自身も最低限の技術的要件を知っておく必要があります。ここでは、見積もりの段階で必ず確認すべき、工事と設計の重要ポイントを解説します。

【水はけ対策】水たまりを防ぐ適切な水勾配(傾斜)と排水計画
駐車場をコンクリートにする際、絶対に欠かせないのが雨水を流すための「水勾配(みずこうばい)」です。完全に水平な地面に見えても、実は緩やかな傾斜がつけられています。
<理想的な勾配は「2%」>
一般的に、駐車場には2%〜3%程度の勾配が必要とされています。これは「1mの距離に対して2センチ下がる」計算です。例えば奥行きが5mある駐車場なら、手前と奥で10センチの高低差をつけることになります。この勾配が1%を切ると、少しの凹凸で水たまりができやすくなり、コケや汚れの原因になります。
<勾配が取れない場合の対策>
敷地の条件によっては、十分な傾斜が取れないケースもあります。その場合は、コンクリートの表面を刷毛引き(はけびき)仕上げにして滑りにくくした上で、駐車場の中央や入り口付近に「U字溝」や「集水マス」を設置し、強制的に雨水を排水管へ流す設計が必要です。また、地面自体が水を吸い込む「透水性コンクリート(ドライテック等)」を採用するのも有効な解決策となります。
【ひび割れ対策】ワイヤーメッシュや伸縮目地(スリット)の正しい配置
コンクリートは乾燥して固まる過程で収縮する性質を持っており、何の対策もしないと必ずひび割れが発生します。これを防ぐために重要なのが「伸縮目地(しんしゅくめじ)」と「ワイヤーメッシュ」です。
<伸縮目地の役割と配置間隔>
伸縮目地とは、広いコンクリート面を分割するために入れるゴム製や樹脂製の緩衝材、あるいは砂利を入れるスリット(隙間)のことです。あらかじめ割れやすいライン(目地)を作っておくことで、予期せぬ場所へのひび割れを防ぎます。 目安として、1区画あたり20㎡の範囲に分割するように目地を入れるのが適切です。デザインを優先して目地を減らしすぎると、ヘアクラック(髪の毛ほどの細いひび)のリスクが高まります。
【動線設計】車の回転半径やドア開閉、トランク利用まで計算した寸法確保
「カタログ上の車体サイズが入る広さ」と「毎日ストレスなく使える広さ」は全く異なります。設計図面を見る際は、車そのものの大きさだけでなく、人が動くスペース(動線)を含めて確認しましょう。
<ドアの開閉と乗り降り>
運転席や助手席のドアを全開にするには、車体幅に加えて左右それぞれ60cm〜90cmのスペースが必要です。特に隣地境界線にブロック塀がある場合、ギリギリの設計にすると「同乗者が一度道路で降りてから駐車しなければならない」という不便な状況になります。
<トランクの利用と前面道路>
意外と見落としがちなのが、バックドア(トランク)を開けるスペースです。ミニバンやSUVなどの跳ね上げ式ドアは、車両後方に約1m以上の空間が必要です。 また、前面道路の幅が4m未満と狭い場合、直角駐車をするには何度も切り返しが必要になります。この場合、駐車場の入り口部分を斜めにカットする「隅切り(すみきり)」を設けたり、通常より間口を広く取ったりして、車の回転半径を考慮した設計にする必要があります。

【埋設物】敷地内の水道配管・量水器メーター・ガス管の移動が必要なケース
庭を解体して駐車場にする際、地中に埋まっているライフライン(水道・ガス・下水)の配管が工事の支障になることがあります。これらは掘削してみないと正確な位置や深さが分からないことも多く、追加費用の原因になりやすい項目です。
<量水器(水道メーター)の高さ調整>
水道メーターのボックスが新しい駐車スペースの計画地にある場合、コンクリートの仕上がり高さに合わせてボックスの高さを調整する必要があります。また、もともと庭(土)にあったボックスはプラスチック製の蓋であることが多いため、車が乗っても割れない「耐圧蓋(金属製や強化樹脂製)」への交換が必須となります。
<配管の移設リスク>
ガス管や排水管が、新しく作る駐車場の地盤面よりも浅い位置に埋設されている場合、車の重みで破損する恐れがあります。この場合、配管を深く埋め直すか、迂回させる移設工事が必要です。特に古い住宅では、図面と異なる場所に配管が通っていることも珍しくないため、リフォーム業者を通じて事前に試掘調査を行うか、万が一の移設費用を予備費として見ておくことが賢明です。
【パターン別】庭や塀を解体して駐車スペースを確保する方法
費用相場や技術的な要点を押さえた後は、ご自宅の敷地状況に合わせた具体的なリフォーム計画を立てましょう。 一言で「駐車場拡張」といっても、庭を削るのか、カーポートを作り変えるのか、あるいは足元の舗装を変えるのかによって、工事の内容や注意すべきポイントは大きく異なります。ここでは代表的な3つのパターンについて、プロの視点から具体的な手法とメリットを解説します。

庭・植栽やブロック塀を撤去・セットバックして増設する方法
道路に面した庭木やブロック塀を撤去し、駐車スペースの奥行きや間口を広げる、最もポピュラーなリフォーム方法です。 特にブロック塀を解体して敷地境界ラインを後退(セットバック)させる場合、単に壊して終わりではない点に注意が必要です。
<ブロック塀の処理と補強>
塀を部分的に解体する場合、残った塀の強度が低下しないよう、切断面をモルタルできれいに補修し、必要に応じて「控え壁」などの補強を行う必要があります。また、隣地境界にある塀を工事する場合、所有権がどちらにあるか(あるいは共有か)を確認し、必ず着工前に隣人の承諾を得ることがトラブル回避の鉄則です。
<植栽の「抜根(ばっこん)」の重要性>
庭木を撤去する際、地上部分を切り倒す(伐採)だけでなく、地中の根を完全に取り除く「抜根」が極めて重要です。根が残っていると、将来その根が腐って地中に空洞ができ、コンクリートが沈下したり割れたりする原因になります。見積書に「抜根処分費」が含まれているか必ず確認しましょう。
既存のカーポートを移動・交換して有効幅を広げるテクニック
「柱が邪魔で駐車しにくい」「もう1台停めたいが柱がぶつかる」という場合、カーポートの柱の位置を見直すことで解決できるケースがあります。
<既存カーポートの移設はリスクが高い>
「今あるカーポートを一度解体して、少し横にずらしたい」という要望は多いですが、実はあまり推奨されません。一度組み立てたアルミ製品をきれいに分解するのは難しく、再組み立ての際にビス穴が合わなかったり、強度が落ちたりするリスクがあるためです。また、移設費用が新品購入費と変わらないほど高額になることもあります。
<「梁延長(はりえんちょう)」タイプへの交換>
有効幅を広げるなら、柱の位置を自由に設定できる「梁延長(はりえんちょう)」タイプのカーポートへの交換が最も効果的です。屋根の幅よりも梁(はり)を長く伸ばすことで、車の出し入れに邪魔な柱を、駐車スペースの外側や敷地の隅まで遠ざけることができます。これにより、ドアの開閉スペースを確保しつつ、ストレスのない駐車が可能になります。
砂利敷きから全面コンクリートへ変更し、タイヤの取り回しを良くする工事
現在は砂利敷きの駐車場を使っているものの、「タイヤが埋まって発進しにくい」「砂利が道路に散らばる」といった悩みがある場合、全面コンクリート化が有効です。
<ハンドル操作(据え切り)の負担軽減>
砂利の上ではタイヤの抵抗が大きいため、停止状態でハンドルを切る「据え切り」を行うと、タイヤを傷めるだけでなく、地面に深い轍(わだち)を作ってしまいます。コンクリート舗装にすることで、ハンドル操作が驚くほど軽くなり、何度も切り返しが必要な狭い駐車場でもスムーズに入出庫できるようになります。
<車と家を守るメリット>
コンクリート化には、操作性以外にも大きなメリットがあります。
飛び石防止:
タイヤの溝に挟まった小石が走行中に外れ、車体や後続車を傷つけるのを防ぎます。
泥はね防止:
雨の日に車体や靴、玄関ポーチが泥水で汚れるのを防ぎます。
タイヤが乗る部分だけコンクリートにする方法もありますが、歩行時の安全性や雑草対策、掃除の手間を考えると、予算が許す限り「全面コンクリート」にすることをおすすめします。
拡張工事の前に確認すべき「法規制」と「補助金制度」
具体的なリフォーム計画が固まりつつある段階で、必ず確認しなければならないのが「法律上の制限」と「資金面の支援制度」です。 特にカーポートやブロック塀に関する工事は、建築基準法などの法規制が密接に関わります。「知らなかった」では済まされない違法建築のリスクを避けるため、そして使える補助金を逃さないために、契約前にチェックすべきポイントを解説します。

カーポート増設時に注意すべき「建ぺい率」と「建築確認申請」
意外と知られていませんが、柱と屋根があるカーポートは、建築基準法上の「建築物」として扱われます。そのため、設置には以下の2つのルールを守る必要があります。
<建ぺい率(けんぺいりつ)の制限>
建ぺい率とは、敷地面積に対する「建物を建ててよい面積の割合」のことです。すでに家が建っている敷地にカーポートを増設する場合、家とカーポートの面積の合計が、その土地の指定された建ぺい率(例:60%など)を超えてはいけません。 ただし、壁のないカーポートの場合、一定の条件(柱の間隔が2m以上、天井の高さが2.1m以上など)を満たせば、建築面積の一部(先端から1mまで)を計算に入れなくてよい「緩和措置」が適用されるケースがあります。ギリギリの場合はプロによる計算が必須です。
<建築確認申請の必要性>
床面積が10㎡(約3坪)を超えるカーポートを増設する場合、原則として役所への「建築確認申請」が必要です。 ※ただし、建物がある場所が「防火地域・準防火地域」の外で、かつ増築部分が10㎡以内の場合に限り、申請が不要となることがあります。最近の車1台用カーポートでも10㎡を超えるものは多いため、無許可で設置して違法建築とならないよう注意が必要です。
ブロック塀の撤去は補助金の対象になる?自治体の制度活用
駐車場を広げるために既存のブロック塀を解体する場合、自治体から補助金(助成金)が出る可能性があります。 これは、地震発生時にブロック塀が倒壊して道路を塞いだり、通行人に危害を加えたりするのを防ぐという公的な目的があるためです。
<一般的な支給条件と金額>
多くの自治体では、以下のような条件を設けています。
・道路に面しているブロック塀であること
・高さが1m以上(または0.8m以上)あること
・ひび割れや傾きなど、危険性が認められること
補助金額は自治体によりますが、撤去費用の1/2〜2/3程度、上限額として10万円〜20万円程度が支給されるケースが一般的です。
※各年度の予算状況により受付を終了している場合がありますので、最新情報は市の窓口でご確認ください。
<【重要】必ず「契約前」に申請を>
補助金制度を利用する上で最も重要なのが申請のタイミングです。ほとんどの制度で、「工事請負契約を結ぶ前」または「着工前」の申請が条件となっています。工事が終わってから領収書を持って行っても、1円も受け取ることはできません。必ず業者に見積もりを依頼する段階で、役所の建築指導課やホームページで制度の有無を確認しましょう。
外構リフォームにも使える「リフォームローン」や減税制度
駐車場工事は数十万円から百万円単位の出費となるため、手元の現金を残しておきたい場合はローンの活用も検討しましょう。
<外構工事単体でも使えるローン>
「リフォームローン」は家の内装だけでなく、駐車場や庭の工事単体でも利用可能です。銀行などの金融機関だけでなく、リフォーム会社が提携している信販会社のローンであれば、手続きが簡単で審査も早い傾向にあります。 住宅ローンが残っている場合、同じ銀行でリフォーム資金を借りることで、金利優遇を受けられることもあります(※借入条件による)。
<減税制度(所得税の控除)>
特定の要件を満たすリフォームを行った場合、確定申告をすることで所得税の控除を受けられる制度があります。 駐車場工事の場合、単なる拡張では対象になりにくいですが、「高齢者のために通路幅を広げる」「スロープを設置する」といったバリアフリー改修工事に該当する場合は、投資型減税やローン型減税の対象となる可能性があります。適用要件は細かく設定されているため、事前にリフォーム業者や税務署へ相談することをおすすめします。
ただ広げるだけではない「使い勝手とデザイン」を両立するアイデア
駐車場リフォームは、どうしても「車が入ればいい」という機能面が優先されがちですが、実は家の印象(ファサード)を大きく左右する工事でもあります。 コンクリートを打つだけの無機質な駐車場にしてしまうと、後になって「家の雰囲気が冷たくなった」「リビングが丸見えで落ち着かない」といった不満が出ることがあります。ここでは、機能性を確保しつつ、デザイン性と居住性を高めるためのプラスアルファの提案を紹介します。

住宅の外観や既存の庭と調和するフェンス・目隠しの選び方
駐車場を拡張するためにブロック塀や生垣を撤去すると、道路からの視線が遮るものがなくなり、防犯面やプライバシー面での不安が生じやすくなります。そこで重要になるのが、新しいフェンスや目隠しの選び方です。
<素材と色を建物に合わせる>
後付けのフェンスが浮いてしまわないコツは、建物の「窓サッシ」や「玄関ドア」の色と合わせることです。例えば、玄関ドアが木目調ならフェンスも同系色の木調ラッピング材を選び、サッシがシルバーならアルミ色のフェンスを選ぶと、全体に統一感が生まれます。
<圧迫感のない目隠しテクニック>
道路からの視線を遮るには高さ1.6m〜1.8m程度のフェンスが必要ですが、これを不透明な素材で囲うと閉塞感が出てしまいます。 おすすめは、半透明の「ポリカーボネート板」や、板と板の隙間がある「ルーバータイプ」のフェンスです。これらは光や風を通しつつ視線をカットできるため、駐車場奥にあるリビングが暗くなるのを防ぎます。また、角柱を数本立てて足元に植栽を植えるといった、あえて「完全には隠さない」セミクローズな外構も、奥行きを感じさせるデザインとして人気です。
夜間の駐車を安全にサポートし、防犯性も高めるライティング(照明)計画
「昼間は停めやすいが、夜は真っ暗でバック駐車が怖い」という失敗例は少なくありません。照明計画は、車のボディを守るだけでなく、家族の安全と防犯にも直結する重要な要素です。
<駐車をサポートする照明配置>
運転席から見て、駐車場の「奥(輪止め付近)」と「入り口」の2箇所に明かりがあると、空間の奥行きが把握しやすくなります。 特に効果的なのが、コンクリートの床面に埋め込む「ソーラーLEDライト」です。これを駐車スペースの境界線や車止めの位置に埋め込んでおけば、滑走路の誘導灯のように機能し、雨の夜でも白線が見えなくて困るということがなくなります。
<防犯としてのセンサーライト>
カーポートの柱や軒下に「人感センサー付きライト」を設置するのは、最もコストパフォーマンスの高い防犯対策です。人が近づくとパッと明るくなるため、車上荒らしへの威嚇効果があるだけでなく、夜間に帰宅した際の手元灯としても重宝します。最近では、一晩中ほのかに点灯し、人が来るとフル点灯する「常夜灯モード」付きの製品もあり、高級感のある演出が可能です。

あえて一部を砂利や植栽にしてコストダウンとデザイン性を両立する工夫
全面を土間コンクリートで舗装するのは最も耐久性が高い方法ですが、面積が広いと費用がかさむ上、見た目がのっぺりとして殺風景になりがちです。そこで、あえてコンクリート以外の素材を組み合わせる「減築デザイン」が有効です。
<タイヤが乗らない部分を「抜く」>
車の下になる部分や、タイヤが通らない四隅などは、必ずしも高価なコンクリートである必要はありません。 この部分を砂利敷きや「竜の髭(リュウノヒゲ)」などのタフな植栽、あるいはレンガ敷きにすることで、以下のメリットが生まれます。
コストダウン:
コンクリートの面積を減らすことで、材料費と施工費を抑えられます。
デザイン性:
グレー一色の床面に緑や石のラインが入ることで、モダンで洗練された印象になります。
ひび割れ防止:
コンクリートを分割するスリット(目地)の役割を果たし、熱膨張によるひび割れのリスクを分散させます。
最近では、砂利が散らばらないよう樹脂で固める「樹脂舗装」や、デザイン性の高い「人工芝」をスリットに入れる施工も増えており、メンテナンスの手間を減らしつつデザインを楽しむことができます。
まとめ:駐車場リフォームは「確かな施工品質」と「将来の使い勝手」が成功の鍵
駐車場を広げるリフォームは、単に「庭を壊してコンクリートにする」だけの工事ではありません。
本記事で解説した通り、既存のブロック塀の解体や残土処分といった費用の内訳を正しく理解し、水勾配の確保やひび割れ対策といった「長く使うための技術的要件」を確実に満たすことが不可欠です。
特に、コンクリート打設は一度固まるとやり直しがきかない工事です。だからこそ、目先の金額の安さだけで判断せず、10年後、20年後も水たまりや沈下に悩まされない「施工品質」を見極める必要があります。
また、車種の変更やライフスタイルの変化を見据え、デザイン性と機能性を両立させた設計プランを持つことも、満足度を高める重要なポイントとなります。

私たち株式会社アルスグリーンは、北九州エリアで創業30年以上、地域密着で外構・エクステリア工事を手掛けてきました。
設計から施工、アフターフォローまでを自社一貫体制で行うことで、コストを抑えつつ高品質な駐車場づくりを実現します。「愛車のためにこだわりのガレージを作りたい」「複雑な敷地だが相談に乗ってほしい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。最新の3Dパースを用いたスピーディーな提案で、あなたの理想の暮らしをサポートいたします。
【この記事の監修者】
アルスグリーン株式会社 代表取締役 森永 武
一級土木施工管理技士 / 一級造園施工管理技士 / 一級エクステリアプランナー

1999年のアルスグリーン株式会社設立以来、代表取締役として北九州エリアの外構・エクステリア工事に従事しております。
一級土木施工管理技士などの専門資格を保有し、長年の経験と実績を通じて、多くのお客様の庭づくりを実現しております。長年の施工実績から得られた、お客様の疑問や悩みを解消する有益な情報をお届けしてまいります。
■ 北九州のエクステリア、外構工事なら「アルスグリーン」へ
アルスグリーンでは、下記のようなポイントを大切にしながら、お客様から依頼されたエクステリア(新築・リフォーム)づくりを行っております。
✓自社設計自社施工のスピード感
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